~国産車と輸入車のホイールの違い PCDと穴数をまとめました~

輸入車オーナーの皆さんは、ご自身のクルマのホイールと国産車のホイールの違いをご存知でしょうか。

最近ではご自身でタイヤ交換をすることがほとんどないため、何が違うのか知らないという方も多いのではないでしょうか。

 

一番はっきりしている部分では、国産車はホイールと車体を「ホイールナット」で止めていますが、輸入車は「ボルト」で止められています。先ほどタイヤ交換の話をしましたが、輸入車の交換をしたことがある人は、取り付けに苦労し、なぜ輸入車はボルトなんだろう…と思った方もいるのではないでしょうか。

 

この違いは、国産車と輸入車の走らせる速度の違いによるものなんです。取り付け剛性が、国産車のようにナットで取り付けるよりもボルトで取り付けたほうが剛性は高くなります。海外では、日本での走行時に比べて使用される速度域が高く、その分足回りへのストレスも高くなるため、取り付けにくくても剛性の高さを重視していることが、設計の違いになります。現在は素材や制度が良くなり、ナットでの取り付けでも剛性に大きな差が出るようなことはありません。

 

また、ホイールに開いている穴数やPCD(ホイールのボルト穴の中心点を結んでできた円の直径)も異なります。

国産車はおおよそ、PCD114.3mmの5穴、PCD100mmの5穴、PCD100mmの4穴のどれかに該当します。(一部、PCD120mmの5穴あり)国産車は比較的種類が少なめですが、輸入車のPCDはバリエーションが豊富です。

 

~シンプルなメーカー~

【Porsche】

ほとんど全車種がPCD130mmの5穴(マカンのみ、Audi Q5と共通のため、PCD112mmの5穴)

【Mercedes Benz】

ほぼ全車種がPCD112mmの5穴(GクラスはPCD130mmの5穴)

【Renault】

4穴の車種はPCD100mm、5穴の車種はPCD108mm。日産とのコラボ(コレオス)だけはPCD114.3の5穴を採用。

【Peugeot、Citroën】

4穴、5穴ともにPCD108mm。

【Volvo】

PCD108mmの5穴。初代V40だけは三菱との合弁会社で製造されていたことから、PCD114.3mmの4穴。

 

~ちょっと複雑~

【VW、Audi】

コンパクト(UP、ポロ、A1、S1)はPCD100mm(UPは4穴、そのほかは5穴)

大型SUV(トゥアレグ、Q7)はPCD130mmの5穴

それ以外はPCD112mmの5穴(ちょっと古い車種はPCD100mmの5穴なので注意)

【BMW】

これまではPCD120mmの5穴、徐々にPCD112mmの5穴が採用。

FFモデルとなった2シリーズやX1以降に登場した車種が112mmの5穴を採用しています。

【MINI】

形式名の頭文字がRから始まる以前のMINIは、PCD100mmの4穴でした。BMW傘下に入った際に出たR60(クロスオーバー)とR61(ベースマン)はPCD120mmの5穴になりましたが、F系のMINIからはPCD112mmの5穴を採用しています。

【Alfa-Romeo、FIAT】

ちょっと古い車種は4穴、5穴いずれもPCD98mm。アルファロメオ159やブレラ、FIAT500XなどはPCD100mmの5穴を採用したが、その後発売されたMitoなどはまたPCD98mmが採用されている。

 

このように、メーカーの中でもPCDや穴数が違うこともあり、複雑です。

穴数やPCDは、車体の重さやエンジンパワーのサイズによって、ホイールにかかる負担が違うため、コンパクトカーであれば穴数は少なく、またPCDも小さくなったりします。

 

輸入車オーナーの皆さん、ホイールを替えたいときに「PCDや穴数が複雑だなぁ…」なんて思わずに、そのクルマの特性や、メーカーの事情などを楽しみながら、ホイールを選んでみてはいかがでしょうか。